税制適格ストックオプション(SO)の要件の一つである権利行使価額要件(*)における「付与契約時の1株あたりの価額」の算定方法の明確化を図るため、国税庁は令和5年7月に改正通達を発遣しました。
同年8月25日に、この改正通達に関する解説が公表されましたので、ご紹介いたします。
・税制適格ストックオプション
取引相場のない株式の「付与契約時の1株あたりの価額」を算定する場合について、改正通達では、一定の条件のもと、財産評価基本通達の評価方法(特例方式)により算定することが認められました。
今回公表された解説では、SOの付与契約日が直前期末から6月以内の場合等であれば、「付与契約時の1株あたりの価額」は直前期末の純資産価額に基づいて算定できることが示されました。
これにより、税制適格SOをより簡便に発行できるようになると考えられます。
・税制非適格ストックオプション
改正通達では、税制非適格SOの権利行使時の株式の価額についても、「著しく不適当と認められる場合」を除き、財産評価基本通達の評価方法により算定することが認められました。
解説では、この「著しく不適当と認められる場合」の具体例として、財産評価基本通達により算定した株式の価額が、会計上算定した株式の価額の2分の1以下になるような場合が該当する旨が示されました。
(*)権利行使価額要件…税制適格SOに該当するためには、1株あたりの権利行使価額が、付与契約時の1株あたりの価額以上であることが要件の一つとされています。
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