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資産税
「相続時精算課税の改正」

令和5年6月19日号掲載

令和5年度の税制改正大綱において、相続時精算課税制度に毎年110万円までの基礎控除枠が設定されました。

暦年課税制度は生前贈与加算が7年に延長されて使い勝手が悪くなりましたが、逆に相続時精算課税制度は現在よりも活用できるようになりました。

今回はこの相続時精算課税の改正内容についてご説明します。

 

•相続時精算課税とは?

(1)適用対象者

贈与者・・60歳以上の父母又は祖父母

受贈者・・18歳以上の子又は孫など

 

(2)内容

上記要件を満たした贈与があった場合に、この「相続時精算課税制度」が選択できます。この制度を選択すると2,500万円までの贈与税は非課税、2,500万円を超えた部分は20%の贈与税を支払うことになります。

その後、相続発生時にこの制度を通じて贈与した財産は、相続財産に加算され、支払った贈与税も加味して相続税の精算を行うという制度です。

相続時精算課税制度は、贈与する人ごとに選択が可能ですが、一番の問題点は一度この制度を選択してしまうと、暦年課税制度に戻れなくなってしまうということです。

つまり、一度選択してしまうとどんなに少額の贈与でも相続時に持ち戻されてしまうため、なかなか活用方法が難しい制度でした。

 

改正内容

令和5年の税制改正において、相続時精算課税制度を選択した場合でも新たに年間110万円の基礎控除枠が設定されました。

年間110万円までであれば、相続開始の年や前年であっても相続税は課税されません。

適用時期は令和6年1月1日以後の贈与からです。

 

上記改正があったとはいえ、相続時には贈与時の非課税枠2,500万円も含めて持ち戻されるため、相続時精算課税制度と暦年課税制度のどちらがいいかは一概には判断できません。

ご興味のある方は、ぜひご相談ください!

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