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税務トピックス

資産税
『相続時精算課税の注意点』

令和5年5月22日号掲載

税制改正があってその利用者の増加が期待される相続時精算課税。

特定贈与者の相続発生(死亡)時には、その贈与財産を相続財産に持ち戻す必要があるが、 その評価額を贈与時の価格(時価)に固定できる効果もあり、活用方法によってその税効果は絶大だ。

仮に特定贈与者よりも先に受贈者が亡くなった場合に、受贈者の精算課税の適用を受けた贈与財産について、相続時の精算が行われないことになるため、この場合には、 その相続人(特定贈与者を除く)が法定相続分等に応じて精算課税の適用に伴う納税に係る権利義務を承継し、特定贈与者が亡くなった後に、相続税の申告を行うことになる。

 

つまり、

• 先に死亡した受贈者の相続財産に特定贈与者から贈与財産が含まれて課税

• 次に特定贈与者が死亡した場合には、その相続人が精算課税による納税義務を承継することになるため、既に課税された贈与財産が再び相続財産に加算されて課税

 

と、精算課税を選択しなければ課税は1回で済むが、精算課税を選択したばかりに課税が2回行われ相続税が増大してしまう。

その選択には十分に注意が必要である。

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