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法人税
「令和5年税制改正大綱(法人税)②」

令和5年4月3日掲載

前回、令和5年税制改正における法人課税関連の“暗号資産の評価方法等”についてお伝えさせて頂きました。 今回は引き続き法人課税に関連する改正として、CFC税制の改正についてお伝えさせて頂きます。

 

<CFC税制の概要>

外国子会社を利用した租税回避を防止するために、外国子会社などがペーパーカンパニー等である場合や経済活動基準のいずれかを満たさない場合に、その外国子会社などの所得に相当する金額について、 日本の親会社等の所得とみなして合算し、日本で課税する制度がCFC税制といわれています。

 

<直しの背景>

2024年に予定されるグローバルミニマム課税*の導入による企業の事務負担増加に対応するため、CFC税制の簡素化が要望されていました。 グローバルミニマム課税の導入により、世界中でどのような形態で事業を展開したとしても一定水準まで税収の確保が可能となります。

それにより軽課税国への事業や資産の移転にかかる誘因が低下し、租税回避の防止という目的も一定程度達せられると考えられています。 この点から、現行のCFC税制の運用により生じている課題も踏まえ、CFC税制を簡素化する余地があると考えられ今回の改正に至りました。

*総収入金額規模が大きな多国籍企業グループに属する内国法人について、軽課税国に所在する子会社等の法人税不足分を本国で上乗せし、最低税率15%が課税される制度をいいます。

 

<CFC税制の見直し>

グローバルミニマム課税の導入により対象企業に追加的な事務負担が生じること等を踏まえ、会社単位の合算課税の適用を免除するための基準について、現行の特定外国関係会社の租税負担割合が30%以上から27%以上に引き下げられます。加え、申告書に添付することとされている外国関係会社に関する書類の取扱いに変更があります。 具体的には、一定の外国関係会社に係る財務諸表等の書類については、一部申告書への添付の必要がなくなり、保存のみで対応が可能等々。

この制度は2024年4月以後に開始する会計年度について適用されます。

 

ボーダレスな経済活動やデジタル化が進む中で発生する課税問題に対応するため、今後も国際課税ルールの創設や見直しは予測されます。海外展開を行っている企業は、引き続き改正の動向に注目する必要がございます。次回は法人税における資産についての税務をお伝えさせて頂きます。

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