政府税制調査会は「相続税・贈与税に関する専門家会合」を開き、令和 5年以降の税制改正に向けての議論をしました。以下、その論点をご紹介します。
(1) 相続時精算課税制度の見直し
創設当初と比べ相続時精算課税制度の利用件数が減少していることから、同制度が広く活用されているとは言い難い状況として、暦年課税との選択制は維持した上で使い勝手を向上させるべきという意見が出ました。
(相続時精算課税制度を選択していても一定金額以下の少額贈与は課税しない等)
(2) 暦年課税制度
生前贈与の加算期間は現状3年ですが、これは昭和33年度改正で設定されたもので、近年の状況(デジタル化の進展や寿命の伸長)を鑑みると加算期間を延ばすことが適当という意見が出ています。
(3) 教育資金、結婚・子育て資金の一括贈与の特例廃止を検討
「教育資金の一括贈与に係る非課税措置」、「結婚・子育て資金の一括贈与に係る非課税措置」は、創設当初と比べ利用者数が大幅に減少していること等の理由により、相続時精算課税制度の使い勝手の向上と併せて廃止する方向で検討することが適当とする意見が出ています。