法人税法における基礎項目の5回目は、青色申告についてご説明いたします。
法人が、法人税法の定める一定の帳簿書類を備え付け、税務署長に青色申告の承認申請をして、その承認を受けた場合は、青色申告書を提出することができます。この青色申告法人に対しては、税務上各種の特典が設けられています。
(1)税務署長に「青色申告承認申請書」を提出し、あらかじめ承認を受けること。
①青色申告承認申請書の提出期限
1)原則
青色申告書を提出しようとする事業年度開始の日の前日
2)新たに法人を設立したとき
設立後、最初の事業年度から青色申告書を提出しようとするときは、
次のどちらか早い日までに提出しなければなりません。
ⅰ設立日以後3カ月を経過した日の前日
ⅱ最初の事業年度終了の日の前日
②申請書の承認
青色申告の承認は、税務署から結果についての連絡は特になく、連絡が有るのは申請が却下された場合のみです。そのため申請書に記載した承認の対象事業年度終了日までに却下の通知が無かった場合、その日をもって申請が承認されたものとみなす事(みなし承認)となっています。
(2)法定の帳簿書類を備付け、取引を記録し、かつ、保存すること。
①法人が備え付ける必要がある一定の帳簿書類は、次のとおりです。
1)帳簿
総勘定元帳、仕訳帳、現金出納帳、売掛金元帳、固定資産台帳、仕入帳など
2)書類
貸借対照表、損益計算書、注文書、契約書、領収書など
②法人の帳簿書類の保存期間は、次のとおりです。
1)原則
その事業年度の確定申告書の提出期限の翌日から7年間
2)欠損金額が生じた場合
その事業年度の確定申告書の提出期限の翌日から10年間
2.青色申告の承認の取消し
青色申告の承認があったときでも、次のどれかに該当する事実があるときは、税務署長は、その事実が該当する事業年度までさかのぼって、青色申告の承認を取り消すことができます。
(1)帳簿書類の備付け、記録、保存が法令で定めるところに従って行われていない場合
(2)帳簿書類について税務署長が行った必要な指示に従っていない場合
(3)帳簿書類に取引の全部または一部を隠ぺいしまたは仮装して記載し、その他の記載事項の全体についてその真実性を疑うに足りる相当の理由がある場合
(4)2事業年度連続して確定申告書を提出期限までに提出しなかった場合
以上となります。
次回は、「青色申告制度の特典」について紹介させていただきます。