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資産税
「財産債務調書制度・国外財産調書制度の見直し」

令和3年4月26日掲載

令和2年度税制改正において相続開始年に係る「財産債務調書制度」と「国外財産調書制度」の見直しが行われています。本号でその概要を解説します。

 

1. 改正内容

従前より相続等により取得した国内外の相続財産を、相続が発生した年分の財産債務調書・国外財産調書へ正確に記載することは実務では相当困難でした。

そこで、令和2年度税制改正により、相続開始年の12月31日を判定基準日とする財産から、相続等により取得した国内外の相続財産を除外して財産債務調書・国外財産調書を提出してもよいこととされ、また、提出義務の判定にも含まれまれないことになりました。

さらに、この改正に伴い過少申告加算税・無申告加算税の取扱いが明確となっています。

 

2. 財産債務調書制度

財産債務調書制度とは、国内外で保有している財産や債務の詳細を記載した調書の提出を求める制度です。総所得金額が2,000万円を超えており、毎年12月31日を判定基準日として3億円以上の財産を保有する方が財産債務調書を確定申告期限までに提出する義務があります。

 

3. 国外財産調書制度

国外財産調書制度とは、日本の居住者が保有する国外財産の詳細を記載した調書の提出を求める制度です。毎年12月31日を判定基準日として、5,000万円以上の国外財産を保有する方が国外財産調書を確定申告期限までに提出する義務があります。

 

4. 過少申告加算税・無申告加算税の取扱い

 

財産債務調書・国外財産調書の提出を促すため、相続財産に対して相続税の申告漏れ等があった場合の過少申告加算税や無申告加算税の特例措置(軽減措置・加重措置)が設けられています。

 

(1) 特例措置の内容

財産債務調書・国外財産調書を期限内に提出している場合には、申告漏れに係る過少申告加算税・無申告加算税が5%減額、期限内に提出していない場合には5%加重されることになります。

※提出しなかった(できなかった)ことについて、一定の理由(災害や入院、財産の存在を知らなかった等)がある場合には加重措置の対象とならないケースもあります。

 

(2)軽減措置

次のいずれかの年に相続財産の記載があれば軽減措置を受けることができます。

① 相続開始年の前年分の財産債務調書・国外財産調書

② 相続開始年のその年分の財産債務調書・国外財産調書

③ 相続開始年の翌年分の財産債務調書・国外財産調書

 

 

財産債務調書・国外財産調書を提出されている方は十分にご留意の上、不明な点は税理士へご相談いただくことをおすすめいたします。

 

(税理士 原 健良)

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