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所得税
「フリーランスと源泉税」

令和3年3月15日掲載  

個人に報酬や手数料を支払う際には「必ず」源泉税を引かなくてはいけないと思っている方が 少なからずいるかと思います。

 

実は個人への支払いだからといって「必ず」源泉税を引かなくともいいんです!

 

今回はフリーランスと源泉税の関係について解説いたします。

 

 

1.源泉所を引くべき報酬・手数料とは?

  

冒頭にあるように個人への報酬などの支払いのうち源泉税を引くべきものは限定されています。

  

逆をいえば下記に該当しなければ源泉税の天引きの必要はございません。

□ 源泉徴収の対象となる報酬など

(1) 原稿料や講演料など

⇒原稿料だけでなく、作曲や編曲の報酬・雑誌などに掲載する写真の報酬、各種媒体の

デザイン報酬(HPのデザインはここに入ります)も該当します。

(2) 弁護士、公認会計士、司法書士などの、特定の資格を持つ人に支払う報酬

  

⇒税理士や中小企業診断士、測量士の報酬も該当します。

(3) 社会保険診療報酬支払基金が支払う診療報酬

  

⇒個人開業の診療所などが当てはまります(なお、患者の個人負担分は該当しません)

(4) プロ野球選手、プロサッカー選手、プロテニス選手、モデル、外交員などに支払う報酬

  

⇒保険のセールスマンがこちらに該当します。

(5) 芸能人や芸能プロダクションを営む個人に支払う報酬

 

 ⇒出演料や演出料・企画料が該当します。

(6) ホテル、旅館などで行われる宴会などにおいて、接客業を行うホステスなどに支払う報酬

(7) プロスポーツ選手の契約金など

(8) 広告宣伝のための賞金や馬主に支払う競馬の賞金

  

⇒クイズ番組の賞金やのど自慢大会の賞金などが該当します。

  

この(1)~(8)の中で一番、フリーランスの方が該当しそうなのが(1)のものとなります。

 

2. 源泉税の計算方法

  

計算方法は報酬の内容により異なります。今回は1(1)の報酬での源泉税の計算方法を

  

ご紹介します。

  

(1)報酬が100万円以下の場合

   

⇒報酬額×10.21%で源泉税を計算します。

     

例) 報酬10万円であれば源泉税は10,210円(10万円×10.21%)となります。

 

(2)同一人に1回で支払われる報酬が100万円を超える場合

⇒100万円までは2(1)と同様、100万円を超える部分は20.42%で源泉税を計算します。

 

例) 報酬150万円であれば

   

①100万円まで     100万円×10.21%=102,100円

   

②100万円を超える部分 (150万円-100万円)×20.42%=102,100円

   

源泉税は①+②=204,200円となります。

 

3. 源泉税の納付方法

  

(1)原則

   

個人へ報酬などを支払った月の翌月10日までに支払った方が納付することとされています。

  

(2)特例

   

「納期の特例」の承認を受けている場合には上記の1(2)の報酬に限り

   

①1月~6月までに支払った分・・・7月10日

   

②7月~12月までに支払った分・・・翌年の1月20日

   

を納付の期限として支払った方が納付することになります。

 

 

WEBデザイナーや芸能系のお仕事をされている方は該当する項目も多いかと思います。

是非、一度自分の報酬が源泉税の天引き対象かどうかご確認頂ければと存じます。

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