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資産税
~令和3年度税制改正その3~「これからの相続税・贈与税の方向性」

令和3年3月01日掲載  

前号(令和3年1月25日号)に引続き、本号では令和3年度の税制改正大綱で示されたこれからの相続税・贈与税の方向性をご説明いたします。

 

1.概要

 

日本では現在、高齢化等に伴い高齢世代に資産が偏在するとともに、相続による資産移転の時期がより高齢期にシフト(老々相続)しており若年世代への資産移転が進みにくい状況にあります。

  

また、現行の税制では贈与税と相続税の税率差を利用した節税により、相続税・贈与税トータルでの税負担を軽減することができる仕組みとなっています。

どのタイミングで資産を移転しても負担する税金は変らないようにすることで、若年世代への資産の早期移転を促し、また、公平な税制度の構築という観点から下記内容の検討を行うことが示されました。

 

2.資産移転の時期の選択に中立的な相続税・贈与税に向けた検討

 

  

現在の日本の税制上、生前の贈与は相続開始前3年以内であれば相続財産に含めて相続税を計算することになりますが、3年以上経過している贈与であれば相続財産に含めないこととされています。

  

生前に低い贈与税率で贈与をして3年たてば、高い相続税率がかからずに節税ができたことになります。

  

この3年という期間をなくして、過去に贈与した財産を相続税の対象にしようという方向性を検討しているようです(相続税・贈与税の一体課税)

例として、相続税率が30%の場合、毎年100万円を10年間贈与すると、100万円×10年×30%=300万円も相続税の税負担が少なくすむことになります。

  

昔は、何年も遡ってお金の動きを追うことができなかった為、3年という基準が設けられたのだと思いますが、今は全てに記録が残る時代です。

  

欧米においては過去の贈与財産全てを相続財産に含める国も既にあるため、諸外国に倣うという意味もあるようです。

 

  

つまり、「毎年の贈与を繰り返すことによる相続税の節税は問題があるため、その節税ができないように制度改正する」ということになります。

 

この改正がいつからかは決定しておりませんが、改正前に贈与の検討をする際はご遠慮な くご相談ください!

 

(税務コンサルタント 星 宏明)

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