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税務トピックス

資産税
~令和3年度税制改正その2~「令和3年度税制改正大綱(資産課税)の全容」

(令和3年1月25日号)

前号(令和2年12月28日号)に引続き、本号では令和3年度の税制改正大綱(資産課税)について、その全容をご説明いたします。

 

1.教育資金の一括贈与に係る贈与税の非課税措置

本制度は直系尊属(親、祖父母、曾祖父母)から教育資金の一括贈与を受けた場合において、非課税限度額(1,500万円)までは贈与税が非課税となる制度。

本制度について適用期間が延長されるとともに、以下のような改正が行われます。

 

①贈与者の死亡時における相続税の課税対象の拡大

贈与者の死亡時に贈与資金のうち教育資金として費消していない残額がある場合、すべての贈与に係る残額(現行:贈与者死亡前3年以内の贈与に係る残額)が相続税の課税対象となります。

 

②受贈者が孫・ひ孫である場合の相続税額の「2割加算」の適用

贈与者の死亡時に、受贈者が孫・ひ孫で、贈与資金のうちに教育資金として費消していない残額がある場合、その残額が相続税の課税対象となった上で、相続税額の2割加算が適用されます(現行:2割加算は適用されません)。

 

③適用開始時期

本改正は令和3年4月1日以後の贈与等により取得する金銭等について適用され、適用期間は2年間延長(令和5年3月31日まで)されます。

 

2.結婚・子育て資金の一括贈与の非課税措置

本制度は直系尊属から結婚・子育て資金の一括贈与を受けた場合において、非課税限度額(1,000万円)までは贈与税が非課税となる制度。

本制度について適用期間が延長されるとともに、以下のような改正が行われます。

 

①受贈者が孫・ひ孫である場合の相続税額の「2割加算」の適用

贈与者の死亡時に、受贈者が孫・ひ孫で、贈与資金のうちに結婚・子育て資金として費消していない残額がある場合、その残額が相続税の課税対象となる上、相続税額の2割加算が適用されます(現行:2割加算は適用されません)。

 

②受贈者の年齢要件の引下げ

受贈者の年齢要件について、その下限が引下げられ「18歳(現行:20歳)から50歳未満」となります。

 

③適用開始時期

①の改正は令和3年4月1日以後、②の改正は令和4年4月1日以後の贈与等により取得する金銭等について適用され、適用期間は2年間延長(令和5年3月31日まで)されます。

 

3.住宅取得等資金に係る贈与税の非課税措置

本制度は、直系尊属から住宅取得資金の贈与を受けた場合に贈与税の一部が非課税となる制度。本制度について以下のような改正が行われます。

 

①非課税限度額の引上げ

令和3年4月1日から同年12月31日までの間に住宅用家屋の新築等に係る契約を締結した場合における非課税限度額が1500万円(現行:1,200万円)に引き上げられます。

※一般の住宅用家屋の非課税限度額は1,000万円(現行:700万円)となります。

 

②床面積要件の下限の引下げ

受贈者が贈与を受けた年分の所得税に係る合計所得金額が1,000万円以下である場合に限り、床面積要件の下限が40㎡以上(現行:50㎡以上)に引下げとなります。

 

③適用開始時期

本改正は令和3年1月1日以後に贈与により取得する住宅等資金に係る贈与税について適用されます。

 

4.相続税・贈与税の納税義務者の見直し

国内に短期的に居住する在留資格を有する者、国外に居住する外国人等が、相続開始時・贈与時において国内に居住する在留資格を有する者から、相続・贈与により取得する国外財産については、相続税・贈与税が課税されないことになります。

現行制度においては、被相続人・贈与者の居住期間が相続・贈与前15年以内において国内居住期間の合計が10年以下である場合に限定されていました。

 

5.非上場株式等に係る相続税の納税猶予の特例制度

本制度は、一定の要件を満たした場合に非上場株式に係る相続税の一部又は全部の納税が猶予される制度。

本制度について、中小企業経営者が高齢化している現状を踏まえて、その要件の一つである「後継者役員要件」が次のように緩和されます。

 

①先代経営者等である被相続人が70歳未満(現行:60歳未満)で死亡した場合には役員要件は不要となります。

 

②後継者が特例承認計画に特例後継者として記載されている者である場合には役員要件は不要となります(被相続人の年齢は問われません)。

 

6.土地の固定資産税等の課税標準額等の据え置き

①土地の固定資産税等の課税標準額等の据え置き(※令和3年度のみ)

令和3年度は、3年に一度の固定資産税評価額の評価替えが行われる年ですが、その評価替えにより固定資産税評価額が上がった土地については、原則として固定資産税の課税標準額・税額が据え置かれる措置が講じられます。

 

②負担調整措置の継続

また、固定資産税評価額が増額した場合に、固定資産税等の負担が急激に増加しないよう段階的に引き上げる仕組みである負担調整措置が令和3年度から令和5年度の間は継続されることになります。

 

より詳細な要件等につきましては、情報の確認が取れ次第、随時発信していきます。

 

(税務コンサルタント 原 健良)

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