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資産税
~民法改正その3~「その他の改正内容」

(令和2年11月30日号)

令和2年10月5日号(遺言書の改正)、令和2年11月2日号(配偶者居住権の創設)に引続き、最終回は「その他の改正内容」を解説します。

 

1. 夫婦間の自宅の贈与に関する優遇措置

(1) 内容

相続人が配偶者と子の場合、配偶者が遺産を受け取れる権利は2分の1となりますが、この2分の1の中には生前に受け取った財産も含めて計算することとされています。

改正により、婚姻期間が20年以上の配偶者から贈与又は遺贈により取得した自宅は、2分の1の権利の中に含めなくて良いこととされました。

 

(2)例

【前提条件】

・相続人は妻と子

・相続財産は自宅の土地建物5,000万円と預金5,000万円 合計1億円

・生前に夫から妻へ自宅の土地建物5,000万円を贈与

 

① 改正前

生前に土地建物5000万円を受取っている為、相続時にもらえる遺産は0円

([土地建物5,000万円+預金5,000万円]×2分の1-土地建物5,000万円=0円)

 

② 改正後

夫婦間での自宅贈与は受け取れる権利の金額に含めなくて良くなった為、

相続時にもらえる遺産は2500万円

(預金5000万円×2分の1=2,500万円)

 

2. 預貯金の払戻し制度の創設

預貯金口座は、相続時において凍結されてしまい、遺産分割後でないと相続人が引き出すことは出来ませんでした。改正により遺産分割前でも相続分を基に一定額までは引き出せるようになりました。

 

3. 遺留分制度の見直し

遺留分とは、遺産を配偶者や子が最低限受け取れる権利です。

例えば、遺産を全て子に相続させるという遺言があったとしても

配偶者が裁判所に訴えることで、遺産の一部を受け取ることができます。

改正前は、この訴えにより、分割が決まるまで遺産が共有状態となってしまい、遺産の換金等が難しくなっていました。

改正後は、遺産は共有とならず、金銭で弁済することとなりました。

 

4. 特別の寄与の制度の創設

相続人以外の者が、被相続人の療養看護等に無償で尽くしても、何も受け取る権利がありませんでしたが、改正により、相続人に対し、金銭の請求をすることができるようになりました。

 

5. 改正時期

1~4のいずれも令和元年7月1日より施行されています。

 

以上、3回にわたって民法改正をとりあげましたが、相続対策も大きく打ち手が変わってきます。

見直しも含め、対策を検討される場合は遠慮なくご相談ください!

 

(税務コンサルタント 星 宏明)

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