当日までの準備事項

実際の税務調査に備えた心構えについて言及しましょう。

1 事前連絡無し、アポ無しの場合の心得
 

 

税務調査の日程は通常どのように決められるかご存知でしょうか?

一般的には、対象となる会社や個人に税務署から連絡が入り、そして税理士事務所にも連絡が入ります。
ただ税理士業界からかなり不評を買ったので、直接会社や個人には連絡を控える調査官が増え、税理士事務所へ日程確認の連絡がくることがほとんどになっています。

そこで、私ども税理士事務所では、お客様との事前打ち合わせや、準備のための日数を確保するために、1ヶ月程度の時間をいただき調査当日を迎えます。

以上のような場合には、特に慌てることも無く当日を迎えるわけですが、以下のような場合には、アポなしで突然調査官が直接会社や個人宅に乗り込んでくることがあります。

  • 現金商売がメインの業種:飲食業、小売業などが該当します
  • Dランク、Eランクにレッテルを貼られた会社、個人
  • 内部告発者によりタレこみがあった場合
  • 外部情報からアポ取りをしていると仮想隠蔽される恐れのある場合

 

特に現金商売の方は、幹部や従業員たちにも“アポなしで税務署が来るかもしれない”旨は常に話しをしてくださいね!

マルサの女ではないですが、いきなり逮捕令状をもって来るわけじゃありません。
あくまでも任意調査なので、アポなしで来たとしても、決して慌てずに対処してください。といっても、どのように対処すべきかわかりませんよね♪
まずは、「これは任意調査ですか?」と確認してください。
普通は任意なので、まずは会議室か外で待ってもらってください。

そして、関与税理士へ直ちに電話をしてください。
(つながるまでかけてください。携帯電話がすぐにつながらなかったら、税理士事務所にかけて、税務署が来ている旨を伝えてください。)

社長もしくは本人が不在の場合で従業員や身内の方が対応した場合でも同じことです。
事前に従業員にも心得として伝えておいていただきたいのです。

強制調査とは違って任意調査は逮捕権や“動かないで~”という強制権が無いので、むしろ調査官は勝手に資料に触ることもできません。
ですので、怖がることはないのです!
あとは、税理士が電話で調査官と話しをしますので、大抵は調査は後日ということになります。

2 稟議書、議事録、契約書、金庫の事前チェック
 

 

調査当日までにどんなことに気を付けておけばよいのでしょうか?

まずは原始資料です。稟議書が存在するのであれば、そこを重点的に税務署は見ます。
請求書や領収書とは違い、書面として様々な人が作成するものですので、変な話しですが、そこには真実が書かれているからです。
領収書だけでは分からない詳細なこと(それを支出する根拠や説明など)が書かれているので、例えば会議費なのか、交際費なのか、販売促進費なのか?
などなど、税務上問題になってくることがあるからです。

また、役員報酬の決議や、役員退職金支給の決議など、取締役会議事録が存在していないと否認する可能性のあるものや、関係会社間の契約書などもきちんと揃っていないと、
その経費性自体否認される可能性が高くなります。

そして、金庫です!昔こんなことがありました。
事前の打ち合わせで、社長に「金庫内には変なもの入れておかないでくださいね!」と口頭だけで終わらせてしまったケースです。
調査当日に、調査官から金庫の中を見せてくださいと言われ、中を開けるとビックリです。
他の会社の通帳、印鑑、商品券などなどが入っているではないですか?生きた心地しなかったですね・・・
様々な言い訳(?)をしてその場は凌ぎましたが、印象は決してよろしいものではありませんでした。
くれぐれも金庫内には疑わしいと思われるものは除いておいてください。

3 請求書、領収書のチェック
 

 

最もボリュームがあり、最も調査官がチェックする筆頭の請求書および領収書も事前にチェックが必要となります。

ただし、正直なところ事前にすべてに目を通すことは現実的ではありません。
どこを中心に事前チェックすべきか?
これは会社や個人の規模にもよりますが、年間の取引の中で明らかに突出している桁数に着目します。
例えば、経費項目の中で、ほとんどが5桁以内(即ち、万円単位)であれば、6桁以上の経費をすべて確認します。

つまり、調査官が総勘定元帳という1年間の取引記録簿を見た際に、他の項目よりも目立ってくるのが桁数なのです。
調査官も限られた日数の中で調査を行うわけですから、いかに効率よくやろうとすると、比較的大きめな項目を確実にチェックしてくるのです。

また、経費項目で言うと、交際費、会議費、福利厚生費ですね。
これは会社の場合、年間の限度額というものが交際費にはあるので、それが超えそうになると、会議費などに振り分ける習性(?)があるためです。

そして、これらの領収書の現物はよ~くチェックされます。
大きな声では言えませんが、領収書の折り方、クセなどをベテランの調査官はよく見ます。
それは、その領収書が本当に社長ないし本人が使ったものなのかどうか?疑っているからです。
特に、クラブなど比較的大きな金額なものです。くれぐれもお気をつけてくださいね!

以上が、調査当日までに準備しておくべき最低限のことです。あとは、税理士事務所ごとに違いはあるでしょうが、ここまで準備をしておけば大きな問題は起こらないでしょう!
ただし、事前に私たちへ隠し事をしていたらわかりませんよ~!


税務調査の6つの基本項目