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海外不動産の節税戦略にメスが・・・

投稿日: カテゴリー 税務トピックス

(令和2年3月30日号)

 

 

令和2年度の税制改正で、懸念されていた海外不動産の節税にメスが入ったことはご存じかと思います。

今回は改めてこの改正点と今後の取り組み方についてご説明いたします。

 

1.改正の概要

1)海外の中古不動産にかかる不動産所得が赤字の場合、その建物の減価償却費相当額の損失は無かったものとされます

・・・つまり、給与所得などとの相殺はできないことになり、それが節税NO!ということになるのです

 

2)ただし、他の海外の不動産所得の黒字部分との相殺は可能です

・・・さすがに、他の黒字との相殺は認められます

 

3)その海外不動産の減価償却費のうち、無かったものとされた損失部分は、将来の売却時の建物の取得費に加算することが出来ます

・・・結局、過度な節税はダメだが、売る際にはそこまでは厳しくしないよ!ということです

 

4)令和3年以後の所得税から適用されます

・・・今年(令和2年中)まではこれまで通り赤字はすべて相殺してもいいということです

 

2.そもそも耐用年数の違い

1)建物を建築してから滅失するまでの平均年数は、日本=32年に対して、米国=66年、英国=80年と、日本と比べて新築と中古の価格差が小さい

 

2)不動産所得の計算上に用いる中古建物の耐用年数は、日本=11年以上に対して、海外=4年となっている物件が、全体の半数以上を占めています

 

3)従って、高額物件ほど減価償却費が多額に計上されることになり、結果大きな損失を計上することが可能になるというわけです

 

3.今後の取り組み方

1)今回の改正はあくまでも所得税法の改正、即ち個人に対することです

 

2)よって、不動産管理会社などがあれば、今後はその法人を通じて購入することが考えられます

 

3)また、節税はあくまでもおまけと割り切るならば、狙いはキャピタルゲインということで、これまで通り個人での購入を続けることも選択と言えます

 

4)なお、その場合には、海外にて所得税を支払っている場合には、それを経費計上するのではなく、海外の配当所得との税額控除の選択を視野に入れることも考えられます

 

5)従いまして、無理にあせって売り急ぐなど、節税ありきの行動は控えた方が良いのでは・・・?

 

 

(税理士 清水 努)