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令和2年度税制改正大綱(国外財産調書制度の見直し)

投稿日: カテゴリー 税務トピックス

(令和2年2月7日号)

 

国外財産調書制度とは、適正な課税の確保のため、国外に5,000万円を超える財産(預金、有価証券や不動産など)を持つ日本国内の居住者に、その内容を記した国外財産調書の提出を義務づける制度です。

この調書にこの調書に記載された国外財産について、将来、所得税や相続税の税務調査で増差税額が生じた場合、加算税が5%加重されるのですが、様々な問題点があり、以下の見直しが行われました。

 

1.相続直後の相続国外財産の記載

相続があった年の国外財産調書については、相続人等は相続等により取得した国外財産を記載しないで提出することができるようになります。年末近くに相続があった場合、相続人等が被相続人の国外財産を把握することが難しい実務に配慮したからと考えられます。

 

2.相続税の加算税の加重措置

現行税制では、相続税については、調書の不提出・記載不備であったとしても加算税の加重はなされませんでしたが、相続国外財産に対する相続税に関して修正申告等があった場合においても、原則的には、加算税の加重措置の適用対象となります。

 

3.相続税の修正申告等があった場合の加算税の判定基礎

相続税の修正申告等があった場合、加算税の軽減・加重措置の判定の基礎となるのは下記3つの調書であり、軽減措置は、いずれか1つの調書について要件が満たされていれば適用となり、加重措置は下記3つの調書すべてについて不提出・記載不備であれば適用になります。

 

①被相続人の相続開始年分の前年分の国外財産調書

②相続人の相続開始年分の国外財産調書

③相続人の相続開始年の翌年分の国外財産調書

 

4.関連資料不提出の場合の軽減不適用、加算税の加重

税務署から国外財産調書に記載すべき国外財産の取得等に関連する書類(例えば、海外預金口座の入出金明細など)の提出を求められた場合において、その日から60日以内の指定日までに書類の提出を示しなかった場合は、加算税の軽減措置は不適用となり、加重措置における加算割合は、10%となります。

 

特例の適用

関連書類の提出

あり

なし

軽減措置

△5%軽減

軽減なし

加重措置

5%加算

10%加算

※現行は、書類提出の有無にかかわらず、軽減措置は5%軽減、加重措置は5%加算

 

5.施行時期

1:令和2年分以後の国外財産調書に適用されます。

2~4:令和2年分以後の所得税、令和2年4月1日以後に相続等により取得する財産に係る相続税に適用されます。

 

 

(税理士 山本 剛史)