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遺留分侵害権の実務的な問題

投稿日: カテゴリー 税務トピックス

(令和元年12月2日号)

 

今年の7月に改正された遺留分侵害請求権。

相続人間で遺産分割に争いがあり、通常の相続分を大幅に侵害された場合の保障制度で、その請求を原則「金銭債権」にて行うこととなりました。

 

今回は、その改正により想定される具体的な問題についてご紹介します。

 

1.財産の差押

遺留分侵害額の請求を受けた場合、金銭債権によりその支払いを行うこととなるため、最悪の場合、受遺者への固有財産への仮差押えが想定されます。事業経営者にとっては預金への仮差押えが致命傷にもなりかねません。金銭による支払いが行えないときは、早急に裁判所に対し、遺留分侵害の請求について期限の猶予を求めることでそのリスクを抑えることができます。

 

2.実家に住む権利を失ってしまう

改正前までは仮に第三者に自宅が遺贈された場合でも、相続人は遺留分減殺請求によって共有持分を取り戻し、残余持分を買い戻す等の交渉が可能でした。

ところが、今回の改正によって遺留分侵害権の請求が金銭債権のみとなり、自宅を買い戻すという交渉が難しくなりました。

 

今回ご紹介したのはほんの一例ですが、トラブルにならないためにも早めの対策が必要です。

 

(税務コンサルタント 湯浅 さやか)