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相続の現場からのメッセージ(5)遺留分を侵害した遺言~

投稿日: カテゴリー 税務トピックス

  BAMCグループ、パートナーの西村です。
相続や事業承継の専門家として日々仕事をさせていただいているなかで、現場で起こる出来事や感じたことを皆さんにご紹介させていただきます。

~遺言があっても相続争いになってしまうことも・・遺留分に注意!~

遺産分割で争いごとにならないために、「遺言」を作られる方が年々増えています。これは相続の現場で日々過ごしている私にとっては、ほんとうにありがたい事で、仕事を進める上でもまず私が確認することは、「遺言はありましたか?」なのです。遺言があると、「あぁ、よかった。この案件はスムーズに手続きを進めることができそうだ..」とまずホッします。

ただそれは、あくまで正しい遺言が作成されている場合であって、じつは公証役場で作成した遺言でさえ、遺産争いになってしまうこともままあります。
その多くが、「遺留分」を侵害した遺言です。
「遺留分」とは相続人に最低限保障されている権利をいいます。
例えば私には専業主婦の妻と3歳と1歳の子供がいます。
もし私が新たにAさんを好きになってしまい、遺言で「私の財産はすべてAさんに相続させる。」と残し、私が亡くなり遺言どおりこれがすべて認められてしまったら…
当然妻は子供2人を抱え途方にくれ、生活することもできないでしょう。
残された相続人の生活を守るためにも最低限保障される権利、それが「遺留分」なのです。遺留分は、基本的に相続人が配偶者・子供・父母の場合に認められます。

先日相談に来られたお母様は夫婦でお互い「すべての財産を配偶者に相続させる」と公正証書で遺言を作成されていました。
ところが父が亡くなり、遺言どおり手続きを進めようとした所、実の息子から「お母さんが全部の財産を相続することは認めない!私にも遺留分がある!」と主張され、実の親子での遺産争いになってしまったのです。
お母様は相談に来るたびに、「実の息子から財産を主張されるなんて…情けなくて情けなくて…」といつも涙ながらにお話されます。
実の息子からどうして?と皆さんも思われるでしょう。
親子の関係は複雑ですね…
愛情が憎しみに変わってしまうこともままあるのです…

公証役場は、皆さんの考えた遺言を法律的な文章で残してくださる場所であって、遺言の内容(分割方法等)についてまで、決めてくれるわけではありません。公証役場に相談する前に、誰にどの財産を相続させるのか?しっかり検討したうえで相談に行かなければならないのです。

皆さんのご家族を守るためにも、正しい遺言を作成することをぜひ心がけてください。