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相続の現場からのメッセージ(4)~経営者が直面する相続の問題~

投稿日: カテゴリー 税務トピックス

BAMCグループ、パートナーの西村です。
相続や事業承継の専門家として日々仕事をさせていただいているなかで、現場で起こる出来事や感じたことを皆さんにご紹介させていただきます。

~経営者が直面する相続の問題~

現在、「事業承継」をテーマにしたセミナーを定期的に開催させて頂いておりますが、経営者の事業承継に対する意識は年々増しているようで、毎回参加者が増えお蔭様でご好評をいただいております。

私は年商3億~500億規模の未上場の中小・中堅企業の経営者とお会いさせて頂く機会が多いのですが、会社の業績もよく、社会に必要とされている企業ほど、実は将来の相続に大きな問題を抱えているケースが見受けられます。

そんな経営者に共通する問題は、「会社にはお金はあるが、個人ではそれほど貯蓄がない。」という点です。
私がお会いする業績がいい企業の社長は、社会のため、従業員のためと個人の財産を投げ打ってまで会社を成長させてきた方がほとんどです。皆さん心からどのようにして社会に貢献していくべきかを真剣に考え、事業に取り組んでいらっしゃるので、企業も評価され今日の企業の存在があるのでしょうね。
そんな社長ですから、会社には預貯金が数十億あるのに、社長個人の財産はご自宅それに数千万円の貯金・そしてその会社の株式のみ・・というケースが多いのが現状です。
このような状態で、もし社長に万一があったら残された遺族はどうなるのか?...

業績がいい企業ほど、その会社の株式の財産価値は高くなります。
経営者の相続で最も多い問題は、この会社の株式の評価が高額となり、遺族にとてつもない相続税の負担が強いられる事です!

昨年ある企業の社長の相続人から相談を受けました。
社長がなくなり、相続税の計算をしてみたら額面5万円の株式が300万円の評価になると言われ、財産は自宅と預貯金1億にこの株式しかないのに、4億円の相続税を払いなさいと会社の顧問税理士に言われてしまったとの事でした。
3000万円の資本金の会社が18億の財産として評価されてしまったのです。
当然、遺族にそんなお金はありません。社長が残した1億と会社からの退職金1億を合わせても2億。全財産をつぎ込んでもまだ2億足りません。
奥様・お子様達はパニック状態でした。顧問税理士も企業側に立ってしまい、相続税を払いなさいと言うばかりでそ知らぬ顔です。
この企業はお子様が後継者とならず、企業内部に身内がいなかったため、
専務以下の現経営者との話し合いがスムーズにできない状況もご遺族には大変な問題だったのです。

その後私が相続人の顧問税理士に立ち、現経営者側と交渉を進め、何とか納税資金を確保することができました。
会社に株式(自己株式)を買い取ってもらったのです。
会社側は渋々でした。
当然、この出費は会社側にとって資金収支を悪化させるため、会社の存続にもかかわる問題となるからです。

社長は世の中のため従業員のため、私欲にとらわれず日々仕事をされているため、ご自身と同格のご家族に対しての視点をつい見失いがちです。

大切なご家族が幸せな生活を送るためにも、ぜひ生前の対策をお勧めします。