短時間勤務正社員制度とは、労働者が育児や介護・自己啓発などの必要性に応じて、正社員のまま仕事を継続することができるため、「多様就業型ワークシェアリング」の代表的制度として、今後定着が期待されている制度です。
1. 制度導入のメリット
短時間勤務のタイプは2種類あり、
○ 短時間・短日勤務を一定期間行う場合
○ 所定労働時間を恒常的に短くする場合
に分かれます。前者のメリットとしては、従業員が育児や介護、社会活動など必要性に応じて時間をとることができる。後者のメリットとしては、仕事と家庭のバランスを図りやすく、健康面や体力面での配慮が可能になる、効率性を高めるきっかけになるとされています。
どちらも、有能な人材の職場への定着、確保につながり、企業の競争力を高めることが期待されます。
2.制度導入にあたって
制度を導入する際には、導入のメリットを確認した後、実際に現場の管理職や従業員の声を拾い上げるための調査を実施する必要があります。その留意点としては、以下のことが考えられます。
1.「企業のコスト削減等のための労働時間短縮制度」との誤解を招かないよう、労働者側のメリットも周知すること
2.各識層のニーズを偏りなく把握すること
3.意見を述べた個人の特定ができないように、調査票は所属部署、業務は記入するが無記名にするなどの配慮が必要。
制度を全社的に導入できることが望ましいでしょうが、導入しやすい業務内容の部署から実施し、徐々に拡大していく方法もあります。
制度の円滑な導入を進めるためには、労使それぞれの立場からの意見が反映できるように、社内での十分な検討が必要になります。
(北角)