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中年会計士の、ちょっとだけ聞いて欲しい独り言(8)「全社的な内部統制」

投稿日: カテゴリー 税務・労務トピックス

皆さん、お元気ですか。公認会計士の富田です。

 前回の「内部統制監査」、みなさん憶えてお出ででしょうか?会社が自社で財務報告に係るコントロールの仕組みを作り、これを自社で監査した結果を「財務報告に係る内部統制報告書」として公表、会社の監査を担当している監査法人が、この報告書に問題がないかどうかを監査します。
 
 ところで、「財務報告に係る内部統制」と一言で言っても、前回ご説明した「売掛金」に係る内部統制のように、実在する売上にかかるものであるかどうかが検証されているか、一定の定められた事象の発生に従って計上処理されるようにルール化が行われているかなど、個々の科目や業務処理に係るものがある一方で、「全社的な内部統制」も重要な評価項目となっています。
 
「全社的な内部統制」については、「企業集団全体に関わり連結ベースでの財務報告全体に重要な影響を及ぼす内部統制」と企業会計審議会の意見書に定義があります。これについては具体的に一体どのようなことを想定しているのでしょうか?例えば、売上の計上時期を誤ったり、引当金のような見積を要する項目について誤った額を計上したり、財務諸表に影響を与える問題は、直接的には営業部や経理部で発生するものですから、こういったリスクに対して会社が防止できる仕組みを内部統制に組み込んでいればOKということなのでしょうか?

 ところが、最近の某老舗の菓子メーカーが期限切れの材料を使用して商品を生産販売していた事件では、会社の業務への取り組み姿勢や従業員の教育が不十分であった点が指摘されていますとおり、業務手続や処理の問題というより、会社の管理に対する基本的な姿勢、考え方に起因しているということができます。

 そこで、企業会計審議会の意見書でも、「全社的な内部統制」の例示として以下のような項目を掲げています。
(1)経営者は、信頼性のある財務報告を重視し、財務報告に係る内部統制の役割を含め、財務報告の基本方針を明確に示しているか?
(2)適切な経営理念や倫理規定に基づき、社内の制度が設計・運用され、原則を逸脱した行動が発見された場合には、適切に是正が行われるようになっているか?
(3)経営者は、適切な会計処理の原則を選択し、会計上の見積等を決定する際の客観的な実施過程を保持しているか?

 これらをご覧になってどのように感じられたでしょうか?小手先の技術や仕組みも大事ですが、それ以前にものの考え方、それも会社トップの考え方がとても大事であると私は思いますが、いかがでしょうか?
 
 富田でした。